まさ 今回からニューリアル(by『ワーヒー2』のインストカード)した猛者通だが、どうかね案配は。
ケソ まあ、心境的に爆発的な変化や革新があったわけじゃないですが、担当編集の趣味が120%全面的に押し出されたタイトルではないかと。
でそ なんだとこの野郎。このタイトルで頑張っていきまっしょいって、全員一致で決まったじゃねえか!
ケソ それはアンタの脳内会議でじゃないのさ!
まさ まあまあ、そのような些細なことで言い争っても詮無きことよ。タイトルがどうであれ、われらの団結力と闘争心にいささかの揺るぎがないということは、誌面を見てもらっても一目瞭然といえるだろう。
でそ そうだな。まあ、タイトルで相撲を取ってるわけじゃねえからな。でさ、今回の猛者だけど……。
まさ ムス。今回の猛者は新装開店に相応しい、ビッグゲストをお招きしてある。
知るかね君ら。アルカディア誌上でも創刊当時からライターを勤めていたREDさんが、今月を最後にライター生活をしばらく休止するのだよ。
ケソ え? そうなんですか。そりゃまた唐突で。
まさ そこで君、REDさんと聞いて連想するのは一体何か、速やかに述べ〜い(掠)。
ケソ うう〜ん、ハイスコアとか『グラディウス』とか、反マイルド調整とか、あとザンギかなあ。
まさ そう! それだよ君!(クワと目を見開き威嚇しながら)今回は、REDさんのライター生活とともに、ザンギFの歩みを一緒に振り返ってみようという、ビッグなクリスマスプレゼントをぶっ放そうと思うんだ。
でそ ……プレゼントなのか、それ?
ケソ こいつあいいや! 俺たちゃ、一足早いサンタさん気取りってわけですNE!
まさ そんなこんなで、今回はREDさんとともにザンギ談義と洒落込もうじゃ、あ、ねえかあ〜と息巻く我らかな。
ケソ オルライ(巻き舌)。
■ボルシチと少年
RED っていうかさ〜(極めて反社会的な口調で)、俺を猛者のネタにするのはおいとくとして、ザンギだけでホントに成立するのかよ〜?
まさ 大丈夫さな。視聴率を取るには、小ゼルと動物とザンギを出しておけばOK、というくらいに、ザンギは求心力抜群のネタだからな、フェフェ。
でそ しょうがねえなあ。とりあえず、今回はRED送別会を兼ねて、ザンギスペシャルにしておくか。んじゃあ、REDとザンギの出会いあたりからいっとくか。
RED ん〜とね……適当に『ストII』の時代の話をすればいいの?
ケソ どぞ。
RED 俺、実は最初っからザンギじゃなかったんだよね。当時さあ〜、俺ジョジョにすげえハマってて、その中でもシュトロハイムが超好きだったんだよ。まあ、言いたいことは分かるよな?
一同 こくり。
RED あらかた軍人で遊んだ後は、まあ順当に春麗、ブランカあたりで遊んでたのよ。闘い方が分かりやすいキャラだったしね。
ケソ へ〜。僕ァ、最初に『ストII』に座った瞬間に、REDさんは何のためらいも無くザンギを選んだと思ってましたよ。
RED だれだよそれ(笑)。で、俺が通ってたゲーセンはもともと”対戦”に対してこだわりがある店で、『ストII』も当然のように開幕から対戦やってたんだ。
でそ 前にオールドゲームミュージアムでも語ってたな。
RED 『ストII』が発売されてから少し時間がたって、各キャラクターに戦術っぽいものが確立されてきたんだけど……1キャラだけ、謎なキャラがいたのよ。
まさ それが、ザンギュラだったというわけか。
RED そもそも、コマンドからして謎でしょ? 一回転パンチって、普通飛んじゃうじゃん、って。キャラのコンセプトも意味不明で、コマンドも変。しかも、戦術も確立してないからクソ弱キャラのレッテルを貼られてたんだよ。
でそ 一回転パンチは確かに意味分かんなかったな。
ケソ ボキはジャンプ前提の技なのかと思ってましたё。
RED その謎過ぎるところがすごく気になってさあ、じゃあ、こいつやってみるか〜と思ったのが、ザンギとの長い付き合いの始まりだったな。
■立ちスクリューレボリューション
RED 最初はやっぱ全然分かんなかったよ。普通に打撃とかやっても全然強くないし。
ケソ 技もウリアッ上とスクリューしか無いですからね。
RED でもさ〜、やってるうちに、やっぱ戦術の中心に据えるのが”スクリュー”じゃねえかって気付きはじめて。それを決定的にしたのが、ある人物との出会いだったんだ。
まさ ほむふ。
RED 当時、豊橋にY田さんって人がいて……通称”ザンギおやじ”って呼んでたけど、この人のザンギを見たとき、スゲエ衝撃受けたんだよ。
当時、まだ全然定着してなかった”立ちスクリュー”を、飛び道具のごとく使ってたんだよね、この人。「これがザンギエフか!」って感じで、無茶苦茶感動したよ。
でそ へ〜。
RED そこで初めて、ザンギエフのコンセプトが分かったっていうか、メチャクチャ面白いじゃんって思ったんだ。立ちスクリューが戦術に組み込まれることがこいつの前提なのかな〜とか。
まさ あ。そのザンギ親父って人、我も会ったことあるさなあ。
RED うそ、遠征したの?
まさ 一度編集部(当時のメスト)に遊びに来たことがあって、そこで会ったさね。
でそ ほう、意外な縁だな。
まさ その時、ちょうど”ザンギ検定”という遊びをやってて、御大にもそれをやってもらったんだが……。
ケソ なんスか、そのザンギ検定って。
まさ ザンギのスクリューをいかに使いこなせるかという試験さな。確か「リュウケンの大足」が初級だったな。
RED 相手の技をスカして吸うってやつ?
まさ ウムス。キャラごとに難度を決めてたんだが、詳しくは忘れてしまったさな。
RED ガイルの”何も考えてない中足”とかはヒソカに吸うのムジイよな。適当連打されたらキチいよ。
まさ 当時のガイル戦は、実戦で吸えるのは大足の1発目の後などが関の山だったがね。
でそ で、親父はその検定のどこまでやったのよ?
まさ 高難易度の検定で”ブランカの連付き中足”ってのがあったんだが。
でそ ……なかなか厳しそうだな。シュシュシュ、て途切れなく続く感じだろ?
まさ 意外にキツイさな。確か当時のぜんじさんが一晩中やってて、成功したのは数回……というぐらいに(笑)。
で、親父っさんにそれをやらせてみたところ、中足2回くらい振った直後に「あー、それね」とか言って……軽く舞い上げてたさね。
でそ すげえな(笑)。
RED 本田にも異様に終わってるバリアが無かった?
まさ やつに大百烈を途切れなく出されると仮定すれば、ザンギでは理論上ほぼ勝てないさな。検定では超上級といえるだろう。
RED でもさ、実戦では結局立ち大パンがブインとスカって、直後大足で転ぶか舞い上がってサヨナラ〜、ってパターンだったよな(笑)。
■舞い上がれ、あの大空に(倒置法)
RED やっぱさあ、初代『ストII』のザンギに一番シビれたところは”一度つかんだらそれで終わり”ってところだったんだよね。今やって面白いかどうかは別として、俺自身は”一度つかんだら終わり”というのは究極のゲーム性だと思うんだけど。
つかむのは厳しいけど、だからこそ綿密に組み立てられた地上戦が大事になる……というコンセプトは、一つの形として完成してたと思うんだ。
まさ 初代ザンギは、適当にやってたんじゃ、到底近寄れなかったさなあ。
でそ ジリジリ感は最高だったな。まぁ、俺はダルシムだったがな(笑)。
RED あと、俺の通ってた静岡や名古屋のゲーセンが、「対戦」に対しての姿勢が徹底していた場所で、”セメント上等”の店ばかりだったんだ。
みんな鉄壁の待ちばっかりでさ「ゲーセンに半日いて一本も取れなかった」って事も珍しくなかったよ。でも、彼らも一緒に待ちの崩し方を考えたりしてくれてさ、「お互い相手を強くするためにセメント勝負」っていう、恵まれた環境だったと思うよ。
まさ やはり、REDさん的な最高のザンギは初代かね?
RED うーん、どう考えても『ストII』かな〜。
ケソ 『ダッシュ』以降のザンギはどうなんですか?
RED 『ダッシュ』は「何で投げた後にこんなに間合いが離れんだよ!?」ってとこがバリバリ不満だったよ(笑)。『ターボ』に至っては、ゲームスピードが上がった事により、地上戦の駆け引きがスポイルされたのがスゲエ残念だったね。ピョンピョン飛んでからの適当スクリューが蔓延して、かなり萎えたよ。
でそ でも、『スーパー』でまた遅くなったじゃん。
RED そう、『スーパー』のスピードは良かったんだよ。でも、みんな遅い遅い言うから、また『スパII X』で早くなっちゃって。
ケソ スピード3固定の店は多かったっスからね。
RED でも、それはあくまでも当時の感性と照らし合わせた感想だから、スピードに免疫がついた今なら、評価が変わるかもしれないなあ。
まさ 今でも『スパII X』はバリバリやり込まれているから、状況はかなり変わっているかもしれぬのう。
でそ ストIIシリーズ以降のザンギは、もはや当初のコンセプトとはかけ離れたものに感じてたんじゃない?
RED マーブル系は別物だね。でも『EX』はよかったなあ。ジリジリ感が復活していて。それでさあ、やっぱ俺が好きなのは西谷さん(現ARIKA)のザンギだって思ったよ。
でそ また、ザンギに厳しい時代が来て欲しい?
RED 来ないでしょ。
ケソ 『CFAS』(まはまん註:カプコンキャラの集う対戦格闘『カプコンファイティングオールスターズ』のこと。04年3月現在、開発は打ち切られている)にはザンギは出てませんでしたが、これからもザンギがいる限り、REDさんは不滅ぅ〜って感じですかぁ〜。
RED 勝手に決めんなよ(笑)。
まさ では、今までのザンギ人生を振り返った上で、未来のザンギ使いたちにメッセージを。
RED マイルド調整されてない西谷ザンギで、また遊びたいかな。そんなとこ。
一同 うーす。今までご苦労さまでした。
●REDのBESTザンギたち
第一位 初代ザンギ
第二位 ストEXのザンギ
(コメント):ってゆーか、この二択のみかよ! まあ、ほかのザンギは、メカザンギの方がマシって発言がREDらしいといえるかな。