01年2月号
「執念の終着点/スコアラーを翻弄する異常現象」

カウンターストップ、限界点達成、無敵発覚、永久パターン…。
ハイスコア集計打ち切りにまつわる、天国と地獄。

04/08/18 アップ

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●本文

 「集計打ち切り」。マイナスイメージがつきまとうこの事態の裏側には、常に様々なドラマや異常現象が存在する。
 ここで言う「集計」とは、かつてのゲーメストやベーマガ時代から、現在のアルカディアに受け継がれている「ハイスコア集計」のこと。ある者はそのゲームを極めた結果として戦いに終止符を打ち、栄光を勝ち取る。しかし、自らの研究や努力が、図らずもそのゲームを「集計打ち切り」に追い込んでしまうことも……。

■カンストの栄誉

 「集計打ち切り」の原因は様々だが、最も健全(?)なのは、ループゲームのカウンターストップが達成された場合であろう。
 「ゼビウス(82年/ナムコ)」以降、1000万点というスコアが特別な意味を持ち、多くのループ制シューティングゲームは、1000万点をゴールとして遊ばれてきた。ハイスコア集計という側面からこういったループゲームを見たときの大きな特徴は、1000万点という定められたゴールへ、いかに早くたどり着くかの勝負だという点にある。
 最高の栄誉は「1000万点の一番乗り」であり、その座につける者はただ一人のみ。ある意味、これ以上ないかたちで「勝ち逃げ」して、そのゲームの集計の歴史に幕を引くことができるのだ。もちろん、難しいゲームほどそのステイタスが高く評価されることは言うまでもない。近年では、「達人王(92年/東亜プラン)」や「グラディウスIV(99年/コナミ)」といった、超難度タイトルの1000万点達成がコアなマニアの話題となった。
 ループゲームではなく、クリア時のスコア稼ぎ勝負となるタイプ(現在ではこちらが主流)でも、カンストしたり、明らかな理論値限界スコアが存在するゲームの場合は同じような状況となる。ただし、ちょっと稼いだだけで簡単にカンストしてしまうようなゲームはカリスマ性が低く、残念ながら賞賛の対象たり得ないケースがほとんどである。
 「戦場の狼II(90年/カプコン)」は、ゲーム自体は面白いのに、あっけなくカンストしてしまったゲームの代表。このゲームはスコア表示に100万点の桁がないため、999,900点が表示可能な最高得点。ゲーム全体の配点、点効率に対してヒト桁不足しており、全国×名の皆様が瞬時にカンストして集計打ち切りとなった。
 当然、こういったゲームではスコアラーは盛り上がれないわけで、ハイスコアの歴史の中では、ほとんど名を残さずに忘れ去られることになってしまうのだ。
 「ぐわんげ(99年/アトラス/ケイブ)」のように、上級者ががんばって稼ぐとなんとかカンスト可能、というようなケースはそれなりのステイタスがあるが、稼ぎが熱いゲームは、カンストしないで長期間に渡ってスコアバトルが展開されるのが本来のあるべき姿であろう。事実、ゲームの出来さえ良ければ、複数のスコアラーに愛され、年単位で記録更新合戦が続くことも珍しくはないのだから。

■バッドエンド

 ループゲームのカンストによる「集計打ち切り」は、ハッピーエンドといってもよいが、これ以外の理由で「集計打ち切り」になるのは、たいていろくでもない異常現象が発覚して、競技性が著しく損なわれた場合ということになる。
 最もありがちなのは、「永久パターン」略して「永パ」と言われるプレイ方法が発覚した場合。「永パ」というのは、特定のエリアで特定の行動を繰り返すことによって、永久的なプレイが可能になってしまうパターンのことで、単純作業的な簡単な動作によるものであることが多い。スコア集計ができなくなるばかりか、オペレーターに損害を与える可能性もあり、最悪な現象の一つである。
 「永パ」といっても、スコアが入る要素がない場合もあり、スコア集計ルール的には、これはなんとかセーフ。しかし、たとえ1時間に100点のペースでも、スコアが入る要素があったらアウトになってしまうのだ。
 スコアが入る要素がある「永パ」が発覚した場合は基本的にアウトなのだが、例外的なケースも僅かながら存在する。「バトルガレッガ」「蒼穹紅蓮隊」(共に96年エイティング/ライジング)の2作品は、「永パ」自体は存在するものの、「永パ」を実行してしまうとそれより先の場面に進むことができなくなり、クリア不可能な状況になってしまうため、辛うじて「集計打ち切り」にならずに済んだという、珍しくもきわどいケースだった。「蒼穹紅蓮隊」にいたっては、死ぬことも進むこともできなくなるため、電源を落とすしかなくなる、というオチまでついている。
 「永パ」ではなく「バグ」によってスコアが稼げる場面があるようなゲームも「集計打ち切り」の対象になってしまう場合がある。
 ただし、これにも例外はあり、明らかにバグによる加点現象であっても、それが永久的なものでなく、法則性を持って存在しているものならばセーフ。競技性は損なわれないため、集計は続行される。
 競技性が損なわれないどころか、バグによる加点現象が稼ぎを面白くし、ゲームを盛り上げる場合すらある。「ロボコップ(89年/データイースト)」は代表的なバグ稼ぎゲームで、画面外のドラム缶などをコブラ砲で撃ち込むことにより、法外な撃ち込み点が得られるという変な稼ぎで盛り上がった。
 極めて珍しいが、自機が無敵状態になるバグによって「集計打ち切り」になってしまったケースも存在する。「グラディウスIII(89年/コナミ)」「ダライアス外伝(94年/タイトー)」の2作品は、スコアラーの注目度も非常に高い話題作であったにもかかわらず無敵技が発覚してしまい、惜しまれつつ集計が打ち切られた。
 ハイスコアの世界においてはもちろん、オペレーターにも迷惑がられる「永パ」だが、興味深い現象が多いこともまた事実。
 次回は永久パターンや、それにまつわるゲームシステムなどについて掘り下げてみよう。

●コラム(左ページ上段)

■画一的な1000万点打ち切りの弊害
(写真2枚。それぞれ『雷電』、『ゼロウイング』)

 ゼビウス以降の1000万点打ち切り集計は、大部分のゲームで適切な打ち切り基準であったことは多くのプレイヤーが認めるところだろう。しかし、タイトルによっては、1000万点で集計されることによって、よりハイレベルな面白さを削がれてしまったケースもあったように思う。「ゼロウイング」は残機潰しによって1000万点が達成されて集計打ち切りとなっているが、これがこのタイトルにふさわしいハイスコアの終焉だったのかは、大いに疑問を感じるところ。「雷電」のように、1000万点達成とエンドレスプレイの間に大きな隔たりが存在するタイトルについても問題を感じる。こういったタイトルの場合、1000万点達成は単なる通過点であり、その先に更に超マニアックな世界が存在したのではないだろうか? 1000万点で集計が打ち切られるのなら、その1000万点はそのゲームを完全に極めた証であることが理想だと思うのだが……集計基準の設定は、本当に難しい。

■イケてる1000万点ループゲーム代表
達人王:
ループゲームの1000万点と言ってもその価値はピンキリだが、このゲームは最高にピンな部類に入るだろう。こういう壮大なロマンを感じさせてくれるゲームも最近は少ないね。ループゲーム自体が絶滅寸前であることも考えると、グラIVのカンスト未達成部門はかなり貴重だね。

■バグ稼ぎ盛り上がり系代表
ロボコップ:
バグによる稼ぎは、見つけたとき妙に嬉しいのが特徴だが、行きすぎたものになると集計打ち切りの運命が……。

■脱力系カンストゲーム代表
戦場の狼II:
とあるマニア君の叫び。「ええ、結構やりこみましたよ発売当初から。ボムが点数になるからケチりまくってパターン作ってたら、初クリアでカンストしちゃいました。簡単すぎるっつ〜の。」100万点の桁さえあれば、稼ぎが熱いゲームになった可能性もあったのにね……。

■首の皮一枚でセーフ代表
バトルガレッガ:
永パをやると、無茶苦茶にランクが上がってしまうため、ブラックハート直前の護衛が出っぱなしになってしまいクリア不可能に……。「相当いろいろやったけど、クリアできませんよ」by京城。ちなみに、スコアランキング画面によるスコア確認がこれほどアテになるゲームは少ない。他メーカーも見習ってほしいところだ。

●コラム(右ページ下段)

■カウンターストップについて

 カウンターストップ(略してカンスト)とは、厳密にはスコア表示が上限で止まってしまい、それ以上ゲームを続行して得点しても、スコアが動かない状態を指す。
 本文中にあるような、俗に言うところの1000万点ゲームも、必ずしも1000万点で「カウンターストップ」するわけではないので注意してほしい。1000万点を達成すると「カウンター振り切り」でスコアが0に戻るタイプもあれば、「雷電」のように、普通に1000万点の桁が存在するものもある。正確にはこれらのゲームの1000万点は「カウンターストップ」ではないのだ。「雷電」の場合は1000万点で集計が打ち切られたが、このゲームのカンストは99,999,990点ということになる。逆にもっと低い点数でカンストするゲームも当然ある。本文に出てくる「戦場の狼II」などは、100万点の桁がないために、999,900点でカンストしてしまったのだ。最近では「ミスタードリラー」が999,999点で、「マーズマトリクス」が999,999,999,990点でカンストしてしまい、ハイスコア機種としては短命に終わっている。

●欄外

おことわり:今回紹介しているような、不当にプレイ時間を延長したり、基板に負荷をかけるようなものなどを始め、いかなる永久パターン、無敵、バグ技の実行方法に関する質問は、一切お答えすることはできません。もちろん、各メーカーに問い合わせても、教えてくれることはありません。重々ご了承のうえ、レゲーライフをお楽しみください。

悲しい思いで:しかし、グラIIIとダラ外の無敵は、当時本当にショッキングだった。筆者は出遅れていたグラIII Cタイプでやっと2-10までいき、そろそろ行けるべ? と思った瞬間に無敵発覚……。本誌ライターの京城はダラ外Z’コースでライバルのスコアを抜き返した時点で終了……。


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