02年8月号 「2P協力シューティングの可能性」

2P同時プレイが可能だからって、2P協力プレイができるとは限らない?

04/01/20 アップ
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●本文

 近年発売される新作タイトルは、何らかの形で多人数同時プレイが可能なものが大半を占めている。アクション、シューティング、対戦格闘、ドライブ、パズル、スポーツ、etc……。これまでに多くのメーカーが、さまざまなジャンルで多人数同時プレイの可能性を試し、一人プレイには無いゲーム性を模索してきた。
 今回のオールドゲームミュージアムでは、ジャンルそのものは根強い人気を持ちながらも、多人数プレイが最も成功していないと思われる、シューティングの協力プレイについて考えてみよう。



■2P同時SHTの始まり

 二人以上のプレイヤーによる多人数同時プレイ可能なゲームは、かなり古い時期(70年代)から存在していた。シューティングで現在の2P同時プレイ可能のスタイルが確立されたのは、『エグゼドエグゼス(カプコン)』『ツインビー(コナミ)』といったタイトルが発売された85年のことだ。
 シューティングの2P同時プレイが、それまでにない、新たな遊び方や面白さの可能性を提示してくれたことは確かだろう。当時のプレイヤーにとって、同じ画面内に人が操作する機体が2機同時に存在できること自体が新鮮であり、それだけでもシューティングの2P同時プレイは魅力的で存在意義のあるものだった。
 しかし、シューティングというジャンルでは、協力プレイならではのゲーム性は発展しておらず、過去から現在までを振り返ってみても、プレイヤーの支持は低い。
 これに対し、アクションゲームには協力プレイの面白さ認められ、多くのプレイヤーに受け入れられたゲームが少なからず存在した。古くは『ガントレット(アタリ)』、『バブルボブル(タイトー)』から、近年では『D&D2(カプコン)』、『スパイクアウト(アミューズメントヴィジョン/セガ)』などなど……。これらのタイトルは、一般客に漫然と同時プレイで遊ばれていたのではなく、マニアによる「協力プレイならではの攻略」というアプローチを受けていた。そこには、一人プレイには無い、協力プレイ独特の魅力的なゲーム性があったからだ。
 シューティングでは、これらのタイトルと同等に協力プレイが愛されやり込まれたタイトルは、無かったと言ってもいいだろう。


■+αの魅力

 シューティングの協力プレイが面白くない、受け入れられないのは、同時プレイによって増える不快な要素が多い割に、面白い要素が大して増えない傾向が強いからではないだろうか。
 マップの横幅が広い縦シューでは、横方向へのスクロールの引っ張り合いで操作性が損なわれるものが多く、さらに自機同士に接触判定があれば押し合いも発生。標的(自機)が2機存在することにより敵弾が散乱しやすくなり、敵弾の誘導を前提とした弾避けはまともにできなくなる……。このように、多くのシューティングゲームの2P同時プレイには、重要な面白さであり命に関わる要素でもある、「回避・弾避け」をスポイルする減少が多いことが、最大のマイナス点になっている。
 また、これは特に『D&D2』や『ガントレット』など、RPG的なキャラ設定を持たせたアクションゲームで顕著な魅力だが、極端なキャラ能力差があることによる「役割分担の面白さ、戦略性」が、シューティングの同時プレイには欠けていることが多い。
 前述の弾避けに関する不快・危険要素が少なくても、この「役割分担の面白さ」が薄くては、2P協力プレイにより+αの魅力が現れるゲームにはなり得ない。「2Pでも先に進める」のと「2Pならではの攻略的な面白さがある」ことの間には、大きな隔たりがあるのだ。


■『SLAP FIGHT』

 現在はプレイヤーにも開発者にも、シューティングゲームというジャンルは協力プレイ向きではない、として諦められているフシがある。
 しかし、筆者は過去によく二人用で遊んだ、とあるシューティングのことを思い出すとき、2P協力シューティングの可能性について思いを巡らさずにいられない。
 その作品の名は『スラップファイト』。東亜プラン初期の作品であるこの縦シューは、本来一人用のゲームである。しかし、条件を満たすことによって出現するヘルパー(味方機)を2P側コンパネで操作することが可能で、通常の2P同時プレイシューティングと同じような遊び方ができたのだ。
 ヘルパーはメインの自機に比べると動きも遅く、ショットも単発で一見しょぼいのだが、堅い敵機(敵はすべて地上物!)に重なって撃ち込むとすさまじい連射&破壊力を発揮する。この超接近戦向けの異様なショット性能に、敵から一切狙われないという特性が加わり、ボス戦で大胆な重なり撃ちをして瞬殺したり、撃ち込み点の高いボーナスキャラをヘルパーに撃たせるといった攻略が成立した。
 また、敵はヘルパーを狙わないことから、前述した「敵弾の散乱」という問題が全く起きず、プレーヤー機は通常と同様に敵弾を誘導・回避が可能。さらに、機動力に劣るヘルパーに流れ弾がいかないように敵弾を誘導する上級者のプレイは、ヘルパー使用時ならではの渋い魅力を放っていた。
 『スラップファイト』の2Pプレイは隠しフィーチャー的なものだったが、その内容は、何も考えずただ2P同時プレイ可能にしてあるだけのタイトルとは、比較にならないほど良く出来ていたと思う。
 シューティングにおける派手な弾幕や奇妙な稼ぎも、もうそろそろ進化の袋小路に入りつつあるのではないだろうか。世のシューティング開発者様、この辺で一発「2P同時可能」じゃなくて「2P協力が面白い」シューティングを出してみませんか?



●コラム(左ページ上段)

イチオシ2P協力(?)シューティング

 このゲームは本来一人用で、通常の二人用は交互プレイ。テーブル筐体でヘルパーを使った2P協力プレイをする場合、ヘルパーを操作する人はテーブル筐体の向かい側から逆さまの画面を見ながら操作することになる。テーブル筐体に二人のプレイヤーが向かい合った状態で協力プレイするゲームなんて、後にも先にもこのゲームぐらいなのではないだろうか? まあ、隠しで2P同時プレイってのがそもそもキてるよね。


■これが僚機だ!
(ヘルパー写真キャプション)
一定条件を満たすと、どこからともなく飛来するヘルパー。逆サイドのコンパネで、ショットボタンを押しっぱなしにすればレバーで操作することができる。見た目はカワイイけど、超破壊力を秘めたスーパー戦闘機なんだ!

(隠しキャラインベーダー登場写真のキャプション)
インベーダーが出現! ヘルパーで撃ち込むと凄まじい撃ち込み点が入り、一瞬で3〜4機もエクステンドする。

(ボス戦写真のキャプション)
このボスも自機だけで撃ち込むと長期戦必至なのだが、こっそりとヘルパーに重なってもらえばラクショウ。

(ラスボス戦写真のキャプション)
ヘルパーに乗っかられたラスボスは光りっぱなしに! ふと気付くと、次の周がスタートしています。



●コラム(両ページ下段)

関連事項「その場復活」

 2P同時シューティングと時を同じくして現れたのが「その場復活」方式である。それまでの「戻され復活」方式では、2P同時プレイ中に一人だけがミスした状況に対応できないため「その場復活」方式が考案されたのだろう。「戻され復活」方式のゲームが減っていったことにより「ハマリ」が発生するゲームも少なくなっていった。
 『ダライアス』や『達人王』のように、二人用では「その場復活」だけど、一人用では「戻され復活」というシステムのタイトルも存在する。


遊びやすい2P協力三選

■エグゼドエグゼス
自機が小さめでスピードが遅く、ショットの攻撃範囲も狭い本作は、2P同時プレイでも相対的にフィールドが広く感じられ、快適にプレイできるタイトルだ。二人用だからどうこうといった攻略要素には乏しいが、一人用と大差ないプレイ感覚で遊べる点は評価できる。

■SDI
攻撃に特化したゲーム性のため、同時プレイだと単純にクリアが簡単になるゲームの代表格。撃ち漏らしたミサイルを相方にフォローしてもらえば、簡単にパーフェクトを取れるぞ。9面のカコミ編隊とかはちょっとイヤらしいかも。

■ライフフォース
この手の戦略的地形シューティングには珍しく、二人同時プレイがちゃんと面白い。敵は主に赤プレーヤーを狙うので、うまい人が赤をやって敵弾を誘導、管理するのがセオリーだ。シャッター地帯の2機同時ノーミス脱出は感動的!




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